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淡路島アートセンター 石積みの学校ー景観再生・持続可能なくらしワークショップー

4月の日曜日、昨日の雨がうそのようによく晴れた少し風の強い日に、淡路島アートセンターの石積みの現場におじゃましました。

ここは2004年の豪雨で竹におおわれた裏山が崩れ、手前の建物「日の出亭」も埋まってしまいました。のり面の修復に石積みの手法を用いることで、昔からの知恵と景観を生かそうという活動です。

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参加者は男女合わせて20人。多くは若い人で、石積みに興味があることはもちろん、コロナウィルスの流行によって人と直接出会わない生活に物足りなさを感じている大学生や、土木コンサルタントで水の専門家も加わっています。徳島にある石積みの学校から招いた講師に教えてもらいながら、のり面には山が雨水をため込まないように小さい石を並べ、次に直径20数センチから40センチくらいの石を積み上げていきます。ハンマーで石を割ったり抱えて運んだりと地味な力仕事ですが、前日も雨のなかで作業をしているので、みなさんすっかり息が合って、時に笑い声や冗談が飛び出して楽しそうです。
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活動を呼びかけた事務局長のやまぐちくにこさんにお話をうかがいました。

淡路島アートセンターの「アート」とは、価値のないことに価値を見出すこと。ふだんの暮らしで見ていなかったものや埋もれているものに注目してみることを意味します。今回の土砂崩れは価値のない、いわば「負」ではあるけれど、これがきっかけになって石積みの実践ができた。今まで島内のいたるところにある石積みを見過ごしていたが、その技術を習い伝えられて新しい景観が生まれるという価値がある、と話されます。

現在日本国内には放置竹林がたくさんあります。ここに大雨が降ると広がった根によって土ごと崩れてしまいます。以前は筍を採り竹は生活用具として活用していましたが、今はそのようなことも少なくなっています。現場には裏山の竹を使って竹塀もつくってありました。竹塀は10年くらいで新しくしなければなりませんが、金属やプラスチック製にはない自然の循環にかなった素材です。手間はかかりますが風情と温かみがあります。

土砂に埋もれた「日の出亭」は再建され、今年度から大学生のインタ?ンの拠点として活用が始まり、近畿圏だけでなく関東や東北地方の大学生も利用しています。

やまぐちさんによると、活動が始まるまでは自身の考えていることが理解してもらえるか不安もあるのですが、ネットを駆使した発信によって全国各地から賛同者が集い、少しずつであっても前に進むことができているそうです。活動の楽しさは新たな気づきと学びだとおっしゃいます。

「アート」で汗を流し、「アート」が地域貢献に結びつく活動に報酬はありませんが、お昼にはプロの手によるおいしいランチのデリバリーがあり、みんなで大いに堪能しました。

日の出亭とその周辺がどのように修復活用されるのか、これからも注目したいと思います。

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