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【お知らせ】毎日新聞に戎新理事長の寄稿記事が掲載されました。

  • Posted by: 事務局
  • 2015年9月 2日 13:19
2015年9月2日(火)の毎日新聞・朝刊に、戎正晴しみん基金・KOBE新理事長の寄稿記事が掲載されましたので、ご紹介します。是非とも、ご一読ください!

 150902mainichi.pdf





<毎日新聞朝刊「言いたい」欄に2015年9月2日掲載>

「寄付」という名の「市民活動」 
特定非営利活動法人 しみん基金・こうべ 理事長 戎 正晴

 阪神・淡路大震災から20年がたった。震災復興を機に一挙に盛り上がりを見せた地元のボランティア団体による活動は、今では「市民活動」として定着しつつある。しかし、ボランティア団体などによる実践的な活動だけが、市民活動ではないと考えている。

 市民活動を「市民社会を実現するための活動」と広くとらえるならば、「寄付」という行為もまた立派な市民活動である。またそこには、市民も企業(企業市民)も区別はない。震災から20年を経た今、市民活動が頭打ち状況を打破し、さらに発展していくためにも、寄付という名の市民活動が活発になることの重要性を強調したい。

 市民活動の基盤はまだまだ弱く、公的支援がなくては運営が立ち行かない団体も少なくない。公的支援に頼らない活動基盤づくりには、団体自身の努力も大切であるが、自立(自律)した活動を継続するために、市民が自発的な寄付により市民活動を支え、市民セクター内で資金を還流させる仕組みが地域において定着することこそが、それ以上に重要である。

 「しみん基金・こうべ」はそのような仕組みの担い手(受け皿)となることを目指し、日本初のNPO型ファンドとして1999年に設立された。16年間に延べ919口、約8853万円(今年3月末現在、基本財産分を除く)を超える寄付が集まり、延べ161団体に地域の市民活動のための助成金約5700万円を交付してきた。しかしながら、いまだに当初に掲げた理想を半分も実現できていないと思っている。自分たちの努力不足を承知の上で言わせていただくならば、市民活動の基盤確立のためには、特定の市民活動の担い手ではない市民一般の社会参画意識がより一層高まり、そのことが寄付という具体的な活動に結実することが不可欠ではないだろうか。

 市民社会の意味は多義的であるが、地域目線のそれは、自立(自律)した市民が緩やかなネットワークを構築しながら主体的に社会に参画し、地域における「公(おおやけ)」の一端を担う社会である。私たちは、あの震災のおり、行政の機能が一時停止する中で、平時には行政の受け持ち分野である「公」を市民も担うことが可能なのだということ、そして、分野によっては行政よりむしろ市民こそが「公」の担い手としてふさわしいがゆえに担うべきなのだということを知った。この出発点を忘れず、市民社会の確立を目指し、市民活動の基盤を確固たるものにするために、ぜひとも寄付文化を地域に根付かせなければならないと考えている。(弁護士、明治学院大大学院教授)






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