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ガジュマルの船 -たくさんの幸せをのせて漕ぎ出そう-

神戸市の二宮神社の近くにあるNPO法人の事務所「ガジュマルの船」を訪ねました。
ガジュマルの船は摂食障害をはじめとする依存症の人たちの自助グループで、メンバーは約20人。
おじゃました日はクラフト部の集まりがあり、布製のブックカバーを手縫いでチクチクと縫っていきます。
「気に入ったからもう1つ」という人や「前に作ったヘアバンドもいいよね」などと、 おしゃべりしながら楽しいひとときを過ごしました。
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ここには参加できるメニューが毎日あります。クラフト部のほかに読書会や勉強会、朝や夜のミーティングなど、ほとんどをオンライン併用で行っています。ミーティングは話す練習と聞く練習になります。約束は評価しないこと。たとえよい評価であっても。言いっぱなし聞きっぱなしで「かるーくゆるーく」がモットーです。ほかに手芸材料の繭玉や綿花を自前で用意するため、北区に畑を借りて桑や綿を育てています。夏場は雑草の成長もはやくメンバーが協力して草取りや水やりをしているそうです。

 代表猿渡京子さんと事務局長の大門友穂さんにお話をうかがいました。活動は神戸にはない当事者の居場所を作りたいという思いから始まりました。依存症の回復には自分自身の心を見つめ、依存症を引き起こす本当の理由に気づくことが大事です。それには人との交わりが欠かせません。大門さんは「いい言葉をいただく」と表現されました。まじめで完璧主義ゆえにつらくなっている人に「そのままの自分でここにいていいよ」というガジュマルのメッセージは少しずつ心と体を元気にしていきます。活動の中でうれしいことは「新しい仲間がつながってくれたこと」と猿渡さんは話されます。

活動は家賃や光熱水費、パソコンの諸経費などが必要です。ここを福祉事業所にすれば収入につながりますが、福祉の制度外でフラットな関係性を保ちながら自由に活動することを大切にしようと頑張っています。

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9か月間のディスカッションをまとめた『摂食障害 当事者研究』とニュースレターをいただいて帰りました。当事者の正直な気持ちと少しずつでもよくなりたいと真摯に自分に向き合う姿を知ることができました。人の何倍も苦しい思いで生きている人は何倍も深く人生を考えている人たちだと感じました。

 当事者がいつでも集える拠点を神戸に定着させたいという強い思いが伝わってくる訪問でした。

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