- 2013年11月19日 09:23
- 助成団体の活動紹介
11月16日(土)に、昨年度のしみん基金・KOBEで助成した「ノーマライゼイション陸上スポーツ大会実行委員会」のイベントに参加するために、神戸総合運動公園ユニバー陸上競技場へ行ってきました。
当日は快晴の小春日和、短く刈り込まれた芝生の感触がとても心地良いスポーツ日和でした。
この「ノーマライゼイション陸上スポーツ大会」は、幼児から大人までが、障害者スポーツを体験することを通じて、障害の有無に関係なく、共に地域で暮らし、生きていくことのできる社会の実現を目指して、毎年秋に開催してきた今回で9回目を迎えるイベントです。
そもそも、この大会が始められたのは、主催者の構成団体のひとつであるNPO法人神戸スポーツリンクの代表の野口研治さんが、学生時代に陸上の選手だったのですが、大病を患って選手生活を断念したころに、障害者スポーツと出会われて、支援経験を積み重ねる中で、人はいろいろな人に支えられてきて生きている、ということを学んだことがきっかけだった、ということでした。
まだ大学卒業されて間がないころに、この経験を活かして、年齢に関係なく障害者と健常者相互理解を深め、障害者の社会参加を促進させるためには、市民の障害者に対する認識をしでも深める第一歩を刻める機会づくりが大切だ、という想いから、最初はスタートしたのこと。若い彼をリーダーに選んで、このイベントの運営を委ねた周囲の人たちもえらいと思いますが、そうさせるだけの彼の持つ熱意や正直さが当時からあったのだろうと思います。
当日は、伴走、音響走、ジャベリックスロー、車イススラローム、立ち幅跳び、車イス競走、ブラインドサッカーの7つの競技が体験でき、たくさんの親子連れが参加されていて、のんびりと各競技を体験されていました。音響走の順番を前で待たれていたひと組の親子の声をけさせていただいたところ、今回初めての参加で目が見えるということのありがたみがよくわかると話されていました。
このイベントの特徴は、たくさんのボランティアスタッフの支えられて運営されていること、中でも近くの「須磨翔風高校」の高校生が朝早くから準備をして、指導される方からの競技の説明を聞き、きっちりとその役割を果たされていたのが印象的でした。
ボランティアスタッフの中には、昔このイベントに小学生のころ参加したことがきっかけで陸上を始めて、毎年ボランティアに来ている人もいるとのこと。年月を重ねることで、ゆっくりでも確実にその成果が結びつつあることを感じられました。
代表の野口さんは、このイベントを始めるにあたって、10年間継続できたら1人前と周囲から言われてきたそうで、いよいよ来年その10年目の節目を迎えられます。2020年には、東京でパラリンピックも開催されることが決まり、ますますこのイベントを続けてきたことの真価が発揮されることになるだろうと思います。
来年は、もっと多くの人たちに参加してもらい、障害のある状態の体験を通じて、ノーマライゼイション社会実現の理解の輪がさらに広がることを期待したいと思いました。
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