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「神戸・心絆」の「再生ローソク」作りにお伺いしました

2018年12月16日(日)の午前中に、「神戸・心絆」の「再生ローソク」作りの活動を取材するために、三木市にある同団体の活動拠点にお伺いしました。

しみん基金・KOBEは、この「神戸・心絆」の活動「阪神淡路大震災・東日本大震災被災地竹灯篭による追悼行事」に、平成30年度助成事業・特定枠で助成させて頂きました。

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震災の追悼行事の時に並べられる「竹灯篭」に浮かべる「再生ローソク」作りは、毎年寒風が吹きはじめローソクが固まりやすくなるこの時期に行われているそうで、今年は12月の各週末の5日間で行われ、この日が最終日でした。

制作方法は、まずは葬儀などで使用済みになった白い蝋燭を色つきのお湯で溶かせます。そして、それを卵ケース大のガチャガチャケースに流し込み、柔らかいうちにタコひもで作った芯材をさしこみます。そして、しばらく寒風で乾燥させて固まったところで、ガチャガチャケースから再生ローソクを取り出します。
この作業の繰り返しを、この日は3人のボランティアスタッフの方々が黙々と作業されていました。なんと今冬の再生ローソク制作個数は約7000個だったそうで、本当に頭の下がる思いです。

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一緒に再生ローソクつくりを手伝いしながら、長年の疑問だった、『どうして震災の追悼行事で「竹灯篭」を並べて、そこに「再生ローソク」を浮かべることになったのか?』、をお尋ねしました。

最初のアイデアは、なんと「竹のまち」で有名な京都府長岡京市の竹あかりの祭りがヒントだったそうで、春においしい筍ができる竹林であるためには、秋にある程度竹を伐採する必要があって、その伐採竹をまちづくりに生かしたのが長岡京市の取り組みを震災の追悼行事に繋げたのは、「神戸・心絆」の前身の団体で代表をされていた故・中島正義氏だったそうです。

その後、竹材は上郡や宍粟だけでなく兵庫県内や関西各地から提供されるようになったそうで、毎年秋には竹を伐採しあの形に切断して、今年も敷地内の倉庫にたくさん「竹灯篭」が保管されていました。

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また「再生ローソク」は、震災からの復興に役立てるのであればと、山形県の蜜蝋づくりをされている安藤竜二氏から、最初つくり方の指導を受けて始められたそうです。
そして「竹灯篭」に書かれている文字は、最近では幼稚園や保育園に通う子どもたちにも一部書いてもらっているそうです。

このようなお話を聞いてみると、1999年から継続して開催されてきた「1.17」の追悼行事には、地域の竹林の里山再生、地域の人々との交流機会の創生、そして「竹灯籠」の竹炭への加工等で地区環境保全の意味合いも込められたものであること、また世代を超えたつながりと想いが籠められていること、そしてそれらが「神戸・心絆」のボランティアの方々の発意と地道な努力の積み重ねで支えられていることが、よくわかりました。

今冬もこの日までにつくられた「再生ローソク」は、東日本大震災の被災地である宮城県名取市閖上愛島東部仮設住宅での追悼行事で使用されるそうです。
震災の追悼行事での「竹灯篭」や「再生ローソク」の存在は、阪神淡路大震災からの復興を示すシンボルのひとつだと、私共は捉えています。追悼行事でのあの光景だけでなく、その背後で創出されてきたこのようなつながりが、これからも後世に引き継がれていくことを心より願っています。

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