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神戸映像アーカイブ実行委員会の活動-フィルムアーカイブが私たちに語りかけるもの-

新長田の再開発地域、アスタくにづかの一角に、38席のこぢんまりとしたシアターがあります。

訪れた日は2020118日。阪神淡路大震災から25年の節目が大きなニュースになった翌日でした。この日の「宝探し試写会」は震災関連のフィルムばかりを集めて、ここ神戸映画資料館のシアターで開催。
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上映時間が近づくにつれて少しずつ人が集まり、気がつくと老若男女20人ほどが席に着きました。いつもは懐かしい劇映画や記録映像、アマチュアの個人が撮影したものなどが上映されますが、今回は特別プログラムで、資料館館長の安井喜雄さんが震災の10日後に住吉から三宮まで歩きながら撮影した16ミリフィルムを皮切りに約2時間で5本を鑑賞しました。

上映会は、神戸映像アーカイブ実行委員会が行う「アクティブ・アーカイブ・プロジェクト」のなかの定期的な催しのひとつで、しみん基金・こうべは実行委員会の一連の活動に助成しています。

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実行委員会の事務局を担う田中範子さんにお話をうかがいました。

会の活動は、神戸映画資料館が所蔵する映画フィルムとその関連資料のポスターやチラシなどを活用して、神戸の歴史文化の発展に役立つことを目的にしています。

膨大なフィルムと資料を保存し活用するためには人の手が必要です。なかには上映してみなければ何が映っているのかわからないものも多いのです。それらを市民の目を通して整理し価値あるものとして残し大切に活かしていく。それがこのプロジェクトの特長です。公のアーカイブでは使われる税金との関係で資料の価値判断に一定の制限が生じる可能性もありますが、市民活動には自由に判断できるよさがあります。ほんとうは価値のないものなんてないのです。

今回上映された震災の記録や、津波への備えを戦後の港町の日常とともに描いた短編映画を観ていると、当時の暮らしや社会の雰囲気があざやかによみがえり、私たちがそこから地続きで存在していることを強く感じました。過去から何を学び今をどのように生きるのか、フィルムや資料はその拠り所となり、市民の財産として未来に確実に手渡す意味深さを実感したひとときでした。

 上映会のほかにも関連資料の整理・分類作業があります。現在ボランティアは30人。フィルムの取り扱いは専門家に任せますが、ポスターやチラシの整理もまるで玉手箱のなかを探るようなワクワク楽しい時間です。興味のある方は会のホームページをご覧ください。喫茶店が併設されたミニシアターにもぜひ寄ってみてください。

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