- 2024年5月28日 10:46
- 助成団体の活動紹介
2024年5月22日に多文化共生センターひょうごさんへ取材に伺いました。
多文化共生センターさんは、全ての人へ直接・間接の両方の支援を行う団体です。団体設立のきっかけは、1995年1月17日に起こった『阪神淡路大震災』です。地域に暮らす外国人が、言葉や制度の違いにより、社会から排除されている現状を知り、多文化共生社会を目指して活動されています。
(記事:ボランティア 甲南女子大学3回生 檜垣)

多文化共生センターさんは、深江と御影の2つの拠点で活動されており、今回は御影の拠点、『KICC御影にほんごプラザ』にて、代表の北村広美さんに取材を行いました。

『KICC御影にほんごプラザ』での主な活動は、学習サポートです。学習サポートを必要としている人々に対して、個別に様々な科目を教えています。私たちが取材に伺った際には、高校受験に向けて国語の文章問題に取り組む中学生や、漢字の勉強をする小学生、言葉遣いについて学ぶ小学生の保護者の方までいらっしゃっていました。普段の生活に必要とする日本語のレベルは人それぞれであることをサポートを行うスタッフの方やボランティアの方がきちんと理解し、その人の生活で必要な様々な例え話を交えながら行なっている様子が見られました。

また、漢字の勉強に苦手意識がある小学生に対して、新しいノートを提供したり、その小学生が興味を持って取り組める社会科の教材を使って学習を進めていました。
また、毎月第2水曜日には、物品配布と生活情報を共有するイベントを開催しています。

物品配布の際には、利用者のニーズに合わせた食品や衛生用品を配布しています。また、使用方法がわかりづらい商品はスタッフから利用者に向けてひとりひとり丁寧に説明を行っています。特に洗濯用品は日本語で書いてある説明を全て利用者自身で理解してもらうことは難しいので、説明が必須だそうです。
生活情報は、利用者が知りたい情報をヒアリングし、その結果をもとにイベントの企画を行います。イベント当日は、専門家から説明を受けることがができます。5月15日(水)に開催された時には、身の回りの犯罪に関する情報について、警察の方から説明を受けることができる機会を設けたそうです。過去には歯科衛生士さんに来ていただき、歯の状態をチェックしていただくイベントを行ったそうです。
代表の北村さんに質問形式でお話を伺いました。
「多文化フェスティバル深江へたくさんのお客さんが来てくれることはもちろんですが、年々イベントの運営に協力してくださる地域の方々が増えていることです。昨年は、コロナ禍で開催が危ぶまれましたが、地域包括支援センターの方々が手洗いや検温にご協力くださりました。また、防災センターの方、自治会の方など多方面でたくさんの方にご協力いただけていることは、イベントの理想の形でもあるので非常にやりがいを感じています。」
「学習サポートでは、ずっとサポートを受けていた子供が、大人になってからサポートをする側としてきてくれることです。先輩として当時のお話を後輩にしてくれている姿を見ると、このつながりがずっと続いて欲しいと感じます。このような支援の循環は、とても大切なことだと思います。」
ー活動の中で苦労している部分はありますか?
「同じ国の出身だからと言って、うまく繋がりが持てるわけではないということです。多文化共生センターひょうごでのイベントを通して、私たちスタッフや地域の方々と外国人との交流ができるコミュニティを作るということももちろん大切ですが、外国人同士のコミュニティを作って交流することも良いことだと思います。しかし、同じ国の生まれでも、育った環境や日本に来た理由は様々で、必ずしもうまく行くわけではありません。
ーこの活動に対して、何か支援できることはありますか?
「イベントを行う時だけでも構わないので、サポートをしていただきたいです。例えば食料配布の際には、ひとりひとり丁寧に説明をしなければならないので人手が必要になります。」
地域住民同士の繋がりが気薄になっている今だからこそ、ひとりひとりが多文化共生社会を作り出すために行動するべきではないでしょうか。」

【お知らせ】
・多文化共生センターひょうごさんでは、2024年6月12日(水)12:00〜17:00で食料配布と生活情報を伝えるイベントを開催予定です。
・インターン、ボランティアの活動も随時募集されているそうなので、活動への理解を深めたい方は是非ご参加ください。
https://www.tabunka-hyogo.org/joinus/
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